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これであなたもCriteo通。10分でわかる!広告担当者のためのCriteoで知っておきたい10のこと。

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こんにちは、ウェブ解析士マスターの岩河勇太です。

今回はWeb上でよく出くわす「商品がぐるぐる回って出てきて購買意欲をかきたててくれるディスプレイ広告Criteo」に関することを書きたいなと。

というのも、夏のこの時期、色々なECショップの「SALE商品」がCriteoのバナーに表示されていました。

かくいう私も、Criteoのバナー で欲しかったジーパンが「SALE」になっていたのを知り、まんまと商品を買ってしまいました。
みなさんもこんな経験あるのでは?

さて、本題ですが、Criteoとは「クリック課金方式のディスプレイ型ダイナミックリターゲティング広告」です。
(ちなみにダイナミックリターゲティングとはユーザーごとの商品の閲覧履歴をもとに
商品やサービスに関する広告を自動生成して表示するリターゲティング手法です。)

CV獲得に大きく貢献してくれるCriteoが、運用している広告の中で大きなシェアを占めている企業も多いのではないでしょうか?

そこで今回は改めて、アドテクの牽引役、Criteoの特徴をご紹介します。

① Criteoとは

冒頭に書いたとおり、Criteoはクリック課金のディスプレイ型ダイナミックリターゲティング広告です。
それ以外にCriteoにはどういった特徴があるのでしょうか?

1:賢いCriteo

Criteoはユーザーの行動履歴や興味関心などを機械学習し、CVにつながるタイミングと最適な広告配信面を狙い、自動で配信されます。
それを可能にするのは膨大な企業のユーザーデータを持っているから。
CriteoにはユーザーがどのタイミングでCVにいたるかというあらゆる知見が蓄積されているんですね。

そして、表示されるバナーはユーザーごとに最適化されます。
例えば、直近で閲覧した商品、カートに入れた商品、カテゴリが同一の商品、CTRが高い商品など、データをリアルタイムに学習・分析し、CV獲得につながりやすい商品を表示します。

さらに色、スタイル、レイアウト、クリックを促進するボタンなど、これらの要素も1インプレッションごとに違うデザインで配信されています。

まとめると…
Criteoは最適なタイミングに最適なデザインで 、最適な広告配信面に自動で配信される、ユーザーにパーソナライズされた広告。となります。
成果に貢献するのは間違いないですね。

criteo_flow

2:CriteoはYahoo!のネットワーク(YDN)に配信できる唯一の第三者媒体

Googleのネットワーク(GDN)にはたくさんの媒体が配信できますが、Yahoo!のネットワーク(YDN)にYahoo!以外で配信できるのはCriteoのみ。
良質なネットワークに配信できることが、Criteoが多くのCV獲得に貢献している要因でしょう。

criteo_yahoo!

② Criteoの機械学習

Criteoの「最適化」を支える「機械学習」ですが、その「機械学習」にも踏むべきプロセスがあります。そんなCriteoの「機械学習」のフローをちょこっとご紹介。

まず、配信開始時は最初の10~14日で、Criteoのエンジンが学習モードに入り、いつ・どのようにインプレッションがユーザーへ表示されるべきかを決定していきます。

その後、自動的に最適化を続けます。ここで学習させるのがとても重要です。

インプレッション量とCTRが安定し始めた頃に学習完了

最初は焦らず、成功パターンを見つける時間を与えるのがポイントですね。
ただ、この時点でまだ目標とするKPIに達していない場合もあるかもしれません。
その場合はCPCを変更するなどの対処をとることも可能です。

③ 選べるCriteoの配信エンジン


Criteoのコンセプトは「適応型最適化」モデル。
場面ごとに変わるユーザーの行動に合わせ、広告配信することを意味しています。

また、広告配信の軸になる「Criteoのエンジン」は2種類から選ぶことが可能で、広告主によって違う広告方針にも対応しています。

1:AROエンジン(Automatic Return Optimize / 自動適応型収益最適化)

ROAS重視。客単価の高そうなユーザーに配信をより強化する。
エンジンの重視している基準は「CPC×予測CTR×予測CVR×予測売上」になります。

2:ACOエンジン(Automatic Cost Optimize / 自動適応型コンバージョン最適化)

CPA重視。CPA以内で収まるようにCVを獲得しながら配信を調整する。
エンジンの重視している基準は「CPC×予測CTR×予測CVR」になります。

Criteoの唯一の懸念点は広告費を設定することができないこと。
初めてであれば、コスト消化の観点で、ACOエンジンの方が始めやすいといえるでしょう。

④ Criteoの効果

Criteoがユーザーにあたえる効果は、わかりやすくいうとこんな感じです。

1:継続的にかつ高頻度で「商品そのもの」を見せるので、購買意欲をかきたてやすい。

ユーザー心理としては「ほしいな、ほしいな、やっぱり買おう。」となります。
何回も「商品」を見せるので、買いたい気持ちをわき上がらせることができます。

2:商品の購入を検討させ、その「検討を継続」させることができる。

ユーザー心理としては「そういえばこの商品、ほしかったわ。お給料もらったし買おう。」となります。
ユーザーにとって購入のタイミングは違うので、来るべきそのタイミングで商品を露出し購入にいたらせることができます。

これらがたくさんの広告主から選ばれる理由です。
ユーザーがECサイトから離れたあとも、いつでもWeb上でウィンドウショッピングさせることが可能です。

⑤ Criteoの事例

Criteoの事例を弊社の実績の中から一部、抜粋しました。

1:クリック単価が安い

Criteoは高機能でYahoo!という良質な面に配信されますがクリック単価が安いです。
下記はYDN、GDNと比較したリターゲティングのクリック単価です。
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業種やコストなどにも左右されますが、Criteoのクリック単価が安いことがわかります。

2:購入確度の高いユーザーへ積極的にインプレッション→クリック数を増加

下記の図は、Googleアナリティクスで調べたCriteoのサイト離脱後の経過日数と訪問数、売上の相関の図です。
訪問数は10日までに全体の81%を、売上は10日まで全体の88%を稼いでいることがわかります。

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クリック単価が安いため、予算内でクリック数を増加しやすく、HOTなユーザーに配信できます。

⑥ Criteoのその他の機能

基本的に自動でより良く配信してくれる賢いCriteoさんですが、ちょっとした工夫でバナーの表現を変える事が出来ます。
代表的な4つをご紹介します。

1:フルサイズクーポン

2:ロゴサイズクーポン

3:スターレイティングバッジ

4:セールバッジ

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criteo_logosizecoupon

criteo_star

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この他にも色々な拡張機能があります。

⑦ Criteoのタグ設置

基本的にCriteoはEC事業者向けの広告配信媒体です。
ですので、ECサイトの場合を例にとると、下記、5種類のページに「それぞれ別のタグ」の設置が必要になります。

・TOPページ
・カテゴリ(商品一覧)ページ
・商品詳細ページ
・カートページ
・サンキューページ

こうやって階層が違うページごとに違うタグを設置することで、
カートに入れた商品が何だったのか?よく購入される商品は何だったのか?など、
ユーザーの購買意欲や商品への関心度合いといったCVにつながる詳細なデータを貯めることができます。

タグの設置に関しては若干、エンジニア的なテクニカルな知識が必要になりますがしっかり準備しましょう。

⑧ Criteoのデータフィード

Criteoにはバナーで表示される情報のもとになる「データフィード」が必要です。
「データフィード」 とは商品ID、価格、在庫数、商品画像などを含む情報をリスト化したものです。
最近、CriteoでもGoogleショッピング広告(PLA)用フィードが使えるようになりました。
また、Criteo用のデータフィードを作ってくれる有料のサービスが複数あります。

データフィードも工夫できる点がいくつもあり、とても大事ですが、それも語ると長くなりそうなのでまた今度にします。

⑨ Criteoのパフォーマンスを上げる方法

Criteoの基本的なパフォーマンスを上げる方法は「不一致率」をへらすこと。

「不一致率」を説明する前に、まずは、Criteoのバナーが配信されるフローを確認しましょう。

1:ユーザーがWebサイトに訪問し商品を見る。
2:商品詳細ページのタグがヒット(発火)する。
3:Criteoが、ヒットした商品の商品IDがフィード上にあるか確認しにいく。
4:ユーザーが広告配信面に接触した際、ユーザーが見た商品が掲載されたCriteoのバナーが配信される。

例えば、商品詳細ページタグのヒット数が10,000 個あり、内9,500 個がフィード内の商品 IDと一致する場合、フィードと商品詳細タグの一致率は 95% です。
逆に、このときにヒットしたタグの商品がフィードにない場合が「不一致」となります。この場合だと不一致率は「5%」なので優秀といえます。

配信中はこの不一致率が高ければ高いほど、「ユーザーが興味を持った商品がきちんと表示されない。」ため、Criteoのパフォーマンスは低下します。
(ちなみに、配信前に 「不一致率」 が20%を超えているとCriteoの配信を開始できません。)

不一致率が高くなる原因としては「タグが機能していない。」、「商品詳細タグでヒットしている商品IDとフィード上のIDが違う。」ことなどが考えられます。

この場合、早急に対処が必要ですが、そもそもどうやって不一致率を調べるの?って思った方はご安心を。

現在の不一致率はCriteo社に問い合わせして確認することが可能です。
やったことがない人は依頼して「不一致率」を確認してみましょう。

⑩ 今後のCriteo

冒頭にも書いたとおりCriteoは「ダイナミックリターゲティング」で有名ですが、Criteo社としての今後のビジョンは「リターゲティングカンパニーからマルチプロダクトカンパニーになること」だそう。

そのビジョンを実現するために1:リターゲティング広告の精度をさらに上げる、2:フルファネルに対してプロダクトラインアップを広げる、という大きく2つの施策を進めるとのことです。

1:リターゲティング広告の精度をさらに上げる

1つ目のリターゲティング広告の精度向上にむけては、「ヒト軸のマーケティング」と「モノ軸でのデータ分析」を取り入れるという。まず、ヒト軸のマーケティングについてだが、従来のクッキーベースのターゲティングでは、1人のユーザーであってもデバイスごとに別のユーザーとしてカウントされていたため、「1人なのに最大で15人として見られてしまっていた」と指摘。これをよりパーソナライズ化することで、たとえばAさんとBさんの行動を比較して類似性を見つけ、次の行動を予測するといったことも可能になると説明する。japan.cnet.com

デバイスをまたいでもユーザーの行動を追えるようにし、ターゲティングの精度を上げるということですね。

モノ軸でのデータ分析では、たとえば小売事業者の商品そのものをカタログデータベース化して、ある商品を見ている人は他にどのようなものを見ているかという共通のモノ軸でデータ分析することで、親和性の高いリターゲティング広告を配信できるようになるとしている。japan.cnet.com

違う広告主の様々な商品を網羅し、その商品を見ているユーザーの行動パターンを分析しターゲティングの精度を上げるということですね。

2:フルファネルに対してプロダクトラインアップを広げる

従来のリターゲティング広告は、すでにサイトに訪問している見込み顧客をターゲットにしていたが、広告主はそれに加えて、新規顧客や一度サイトに訪れて離れてしまった顧客に再訪問してほしいと考えている。
そこで、2018年から新たに2つの新製品「Criteo Audience Match(クリテオ・オーディエンス・マッチ)」と「Criteo Customer Acquisition(クリテオ・カスタマー・アクイジション)」を日本市場に投入するという。
Audience Matchは、既存顧客を再訪問させるためのソリューションで1月から提供を開始している。広告クライアントが抱える顧客のメールアドレスを匿名データに加工することで、複数のブラウザの行動履歴を一貫して把握できる仕組みユニバーサルマッチ」と、広告クライアントのCRMやDMPデータを組み合わせて、顧客を正確にターゲティングできることが特徴だ。季節商品だけを買う人へアプローチするなど、さまざまな活用ができるがソリューションだが、特に休眠顧客の復活に強みがあるという。japan.cnet.com

だいぶ、ざっくりいうとCriteoもリターゲティングだけでなく、休眠顧客や新規顧客を狙う広告メニューを準備し、色々な階層のユーザーに対し全包囲できるようにするということですね。

まだ新規顧客獲得系のメニューはリリースされていないようですが、ぜひ試してみたいメニューです。

※追記:2018/8/10
新規顧客獲得系メニュー「Criteo Customer Acquisition(クリテオ・カスタマー・アクイジション)」がリリースされました。
追ってブログでご紹介する予定です。

最後に

いかがでしたでしょうか?
Criteoをうまく活用することで、売上UPが期待できそうですよね。

最後になりましたがCriteoを行うにはデータ量が肝心。
まず、そもそもユーザー数が必要(最低4万UU/月)ですので、Webサイトの利用者を増やす仕組みも同時に考えることが重要です。

賢いCriteoを使える、賢い広告担当者になりましょう。

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