解析

簡単!導線分析レポートでECサイト改善~基本編~

導線分析_eye

こんにちは、ウェブ解析士マスターの岩河です。
GoogleアナリティクスでECサイトを分析するポイントがわからないというあなた。

今回はそんな方におすすめの方法です。
早速、ECサイトの 「導線分析」レポートを作成してみましょう。

今回の「導線分析」の完成形のレポートはコチラ
導線分析

導線分析では図①のようにチェックポイントごとに必要な数値を取得し、遷移率を算出します。
遷移率の算出方法は、訪問数を「②カテゴリページ」÷「①サイト全体の訪問」のように割り戻しているだけです。

遷移の中で異常値がないか?抜け漏れている穴がないか?などを確認し、導線の改善に役立てましょう。
また、毎週、毎月、見ていくだけで、サイトで起きている変化を感じることができるようになります。

では、早速試していきましょう。

ECサイトの導線分析で必要なチェックポイント

ECサイトでは、ユーザーがサイトに訪問してから商品を購入するまでに、大きく分けて7つのページを遷移します。
これらの各ページが購買導線上の「チェックポイント」です。

7つのチェックポイント
①:サイト全体の訪問
②:カテゴリページ
③:商品詳細ページ
④:カートページ
⑤:入力ページ
⑥:購入確認ページ
⑦:購入完了ページ

もちろん、場合によっては、③の商品詳細ページにいきなり訪問してから必要なステップを踏み、⑦の購入完了ページにたどり着く場合もあります。
その場合は今回の分析方法では触れませんが、考え方は同じです。

必要なページのURLを抜き出す

次は、その分析対象サイトの各ページのURLを抜き出しましょう。

ページの種類によってはURLのルールが一定でない場合があるかもしれません。
その場合は思い切って、そのチェックポイントを飛ばしてしまいましょう。

①:サイト全体の訪問:URLXXXXXX
②:カテゴリページ :カテゴリページの共通URL(ディレクトリ)
③:商品詳細ページ : 商品詳細ページの共通URL(ディレクトリ)
④:カートページ : カートページの共通URL(ディレクトリ)
⑤:入力ページ : 入力ページの共通URL(ディレクトリ)
⑥:購入確認ページ :購入確認ページの共通URL(ディレクトリ)
⑦:購入完了ページ : 購入完了ページの共通URL(ディレクトリ)

導線分析②

モンゴロイドのクライアントではこのようになりました。
各ページのURLはうまく抽出できたでしょうか?

Googleアナリティクスを使って、各ページから数値を抜き出す

それではGoogleアナリティクスを使って、各ページから数値を抜き出しましょう。
各ページの抜き出した数値の遷移率を計算しましょう。
冒頭でもお伝えしたとおり、遷移率の算出方法は、訪問数を「②カテゴリページ」÷「①サイト全体の訪問」のように割り戻しているだけです。

抜き出す数値は以下を参考にしてください。
①:サイト全体の訪問:サイトの全セッション
②:カテゴリページ :カテゴリページの共通URL(ディレクトリ)のページ別訪問数
③:商品詳細ページ : 商品詳細ページの共通URL(ディレクトリ)のページ別訪問数
④:カートページ : カートページの共通URL(ディレクトリ)のページ別訪問数
⑤:入力ページ : 入力ページの共通URL(ディレクトリ)のページ別訪問数
⑥:購入確認ページ :購入確認ページの共通URL(ディレクトリ)のページ別訪問数
⑦:購入完了ページ : 購入完了ページの共通URL(ディレクトリ)のページ別訪問数

ちなみに、モンゴロイドのクライアント(A社、B社、C社)3社分のデータを抽出してみました。
導線分析③

A社、B社、C社それぞれに商材が違い客単価も違うため、遷移率に差が出ています。

A社の⑥確認ページ→⑦購入完了ページに行く遷移率は92%ですが、B社は74%、C社は72%です。もしかすると離脱するUIになってしまっているかもしれません。

B社は客単価が高いこともあってか、④カートページに行く遷移率が2%と低いですね。
こちらは、改善の余地がありそうです。

このように他社比較をすると、差が実感できるため、わかりやすいですが、多くのサンプルを簡単には見つけられませんよね。

自社だけで見る場合は、期間ごとに数値を取得するのがおすすめです。
セールの前後、ポイントアップの前後などで見てみると、差が出やすく改善の仮説が立てやすいです。

ほかにもGoogleアナリティクスのセグメント機能を使って、PCとスマホ、新規とリピーターといったユーザーの属性での比較も、興味深い発見があったりします。

最後に

いかがでしたしょうか?

今回は基本編なので、ECサイトの基本的なチェックポイントで分析することを目的にしました。
しかし、導線分析において、その「チェックポイント」をどこに設定するか?が、実は最も必要で重要な力なのです。

ECサイトの機能はどのサイトも似ていますが、商材やユーザー属性は異なりますし、購入パターンもそれぞれです。

その特徴を意識しながら分析し、改善をしていくことが重要です。
それでは今回はこの辺で。