サイト・デザイン

【B2B】カスタマージャーニーマップ作成に必要な8つのステップ

こんにちは、モンゴロイドのデザイナー(SMB)です。
前回の「【B2C】カスタマージャーニーマップ作成に必要な8つのステップ」では、個人を対象にしたカスタマージャーニーマップ作成をご紹介しましたが、今回は法人を対象にするB2Bの8つのステップをまとめました。

B2BとB2Cの違い

B2CとB2Bで、カスタマージャーニーマップの作り方を分ける必要があります。
理由としては、購買の意思決定プロセスが異なるからです。
大企業が数千万、数億単位の大きな投資を行う場合には、しかるべき手続きを経て意思決定がなされます。
また、複数の人物が関与し、ロジカルな検討、長期にわたる意思決定プロセスを経て決定するのがB2Bの特徴です。

8つのステップ

基本的にB2Cのマップ作成とほぼ同じですが、「出力・顧客視点」と「出力・企業視点」の部分のプロセスが変わります。
ここでは、B2CとB2Bで異なる部分をご説明します。


STEP01 テーマを決める 取り上げる商品・サービス、スタートとゴール、期間を設定する
STEP02 ペルソナを設定する 対象顧客像を明らかにする






STEP03 行動を洗い出す 顧客がスタートからゴールまでの間にとる行動を明確にする
STEP04 行動をステージに分ける 明確になったさまざまな行動を分類し、グルーピングする
STEP05 感情の起伏を想像する 「うれしい」「困った」「いいね」など、顧客の気持ち変化をつかむ






STEP06 顧客接点と自社の行動を明確にする 顧客が利用するお問い合わせ方法や営業担当者との接点、それに対応する自社の活動を明確にする
STEP07 対応策を考える マップ全体を俯瞰して、課題や改善可能なポイントを検討する
STEP08 視点を変えてアイデアを追加する カスタマージャーニーマップ全体を違った視点・角度から見直すことで、新たな施策のアイデアを生み出す

01.テーマを決める

カスタマージャーニーの「スタート」と「ゴール」として、ペルソナのスタート地点とゴール時点での状態(認知状態・購入経験・好意度)を定義します。
さらに、スタートからゴールまでの「期間」で、状態変化が起こるまでの長さを決めます。このテーマ設定は、マップの土台となり、後の全てのステップに影響を与えます。

B2Bの場合は、売りたい商材がはっきりしていることが多いと思います。
具体的な商品・サービスとしては、「各種機器のリリース」「クラウドサービス」「オフィス用ミネラルウォーターサーバー」など、法人に利便性を提供するものが考えられます。
まだ完成していないプロジェクト段階のものでもテーマに設定し、問題点を洗い出すことができます。

企業名・部署名 例)株式会社 クラウドモンゴ マーケティング部&販売部
商品・サービス 例)クラウド型の顧客管理・営業支援ツール
スタート 例)営業の顧客管理状況に課題を感じていて、ツール名は聞いたことがある状態
ゴール 例)ツールを導入後、使いこなして成果を得られた状態
期間 例)3か月

02.ペルソナを設定する

B2Bの場合は、商品・サービスを使って欲しいメインターゲットとなる「企業」と、その企業に所属する「個人」の2つのペルソナを記述します。

■企業ペルソナに必要な情報

企業名・業種・商材・売上規模・業界/市場トレンド・従業員数・企業風土

■個人ペルソナに必要な情報

実際に接触する企業の担当者個人の情報を入れていきます。
氏名・部署/役職・決済可能な予算・チームの規模感・ビジネス目標・ビジネス上の課題・自社の商材の知識

03.行動を洗い出す

B2Bのカスタマージャーニーには、パターン化された流れがあり、そこがB2Cとは大きく異なる点です。
今回のような顧客管理ツールの場合、採用が決定し、導入されるまでがゴールではなく、導入後に自社の顧客データをそのツールに同期して業務を行い、不具合がないか確認できるまでがゴールです。
そこで、製品説明会を開くなどして疑問を解消し、安心して使ってもらえる体制を構築する必要があります。
こうした活動を経てはじめて、企業担当者の課題が解決でき、所属部署での数字にあらわれる成果が見えてきます。

04.行動をステージに分ける

B2Bの場合は、企業の担当者は個人ですが、その個人は企業を代表して行動しています。
企業との接点は、B2Cの場合と違って限定されてきますし、受注に至るプロセスもパターン化できます。
企業の担当者は、キーワード検索をしたり、ホワイトペーパーをダウンロードしたり、セミナー動画を見たりと、Webを使って情報収集しています。
そのため、営業担当者は、商談に至るまでのプロセスにおいて、いかに検索結果の上位に表示させるか、いかにリードを獲得できるか、いかにスピーディーに接触回数を増やしリードをナーチャリングできるか、が問われます。

05.感情の起状を想像する

B2Cでは、このステップ05で「顧客接点」の洗い出しを行いましたが、B2Bでは顧客の「感情変化」を先に考えます。
理由として、B2Bでは接点が限られ、カスタマージャーニーの流れもパターン化できるため、その型にはまるとマップから発見できることが狭められてしまうからです。

06.顧客接点と自社の行動を明確にする

ここまでのステップでは、顧客の立場で考えてきましたが、ステップ06は顧客視点と自社の行動を対応させていきます。
具体的には、顧客が使うWebサイトやPCなどのツールを介した接点と、自社の営業担当者の対応など、人を介した接点を考えていきます。

B2Bのカスタマージャーニーは、課題解決のためのアクションからスタートします。
企業担当者は、解決方法を探すためにWebで検索します。
気になる商品やサービスが見つかったら、企業担当者はその会社のWebサイトにある入力フォームから問い合わせをします。
あるいは、資料ダウンロードの際に入力した電話番号に対して、営業担当者から連絡がくるという形です。
その後、顧客に対する自社の担当者が窓口となって、顧客接点を担っていきます。

07.対応策を考える

これまでの顧客視点を踏まえて、企業視点で顧客体験をより良いものにできるかを考えていきます。

「顧客行動」「感情変化」「接点」の内容を統合して見ることで、課題を発見しやすくなります。
その時のポイントとして、マップを「縦」と「横」に見ることです。

■マップを「縦」で見るとき

ステージ→顧客行動→感情変化→接点・自社の行動を見ながら、接点は行動を十分にサポートできているか、感情はネガティブに向いていないかを確認します。

■マップを「横」で見るとき

ステージや顧客行動がスムーズに流れているか、接点が足りているかなど、感情の起状が極端に振れていないかを確認します。

08.視点を変えてアイデアを追加する

ここまでの作業で、カスタマージャーニーマップは埋まった状態です。
各ステップでは、アイデアを積み上げる形で進めてきましたが、最後のステップでは、全く異なる視点・角度から考え、取り入れます。

ステップが進むにつれて、カスタマージャーニーマップがまとまっていきますが、それに伴いある種の世界観が確立されてしまいます。
こうした状況を打破するために、別の視点・角度がないか?と見直すことで、視野が広がります。

まとめ

B2CとB2Bのカスタマージャーニーマップの作成においては、購買の意思決定プロセスが大きく違うことがわかりました。
特にB2Bでは、接点が限られている上にパターン化できてしまうため、マップから発見できることを狭めないよう、注意が必要です。
重要なことは、自社ならではの接点を考察することと、客観的な視点を入れながらマップを作成することでしょう。

モンゴロイドはそのお手伝いをさせていただきます。
是非お気軽にお問い合わせくださいませ。

※参考書籍
はじめてのカスタマージャーニーマップワークショップ